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理想の民主的な選挙制度は [Politics]

世論調査で、自民党が支持率より不支持率の方が上回り、「安倍政権が続いて欲しい」より「続いて欲しくない」が上回る状況の中でも、自民党は300議席獲得を視野に収めているという。どうしてこんな不条理が起こりうるのかといえば、いうまでもなく小選挙区制の弊害である。2014年の前回総選挙の結果を見ても、得票率33.11%の自民党が全議席の6割以上を獲得した。これを完全比例代表制と考え議席配分をすると、自民党の獲得議席はその半分ほどの157議席に過ぎず、他の党はあまねく議席を増やすことになる。とりわけ得票率が少ない政党ほど大幅に議席数が増え、共産党は21から54へと倍増以上、各2議席だった次世代の党、社民党、生活の党はそれぞれ12、11、9議席を得ることになる。
そこで、実現可能性は現状ではゼロに等しいが、理想の民主的な選挙制度を考えてみた。

完全比例代表制、全国区と12ブロックの地方区で議席を2分
まず、衆議院の定数は500人、参議院は300人とする。国会議員は国民を代表して国民のために働くものだから、全国一律の比例代表制でもいいように思うが、例えば沖縄問題をはじめ、各地域・地方特有の問題も少なくないだろうから、現行の小選挙区制やかつての中選挙区制は論外としても、衆議院の11比例区に、地域の特殊性を勘案して沖縄特別区(定数衆院6、参院4)を設けた12地方区を設ける。
そして、衆参それぞれ全国区と地方区を半数ずつに配分する。地方区は完全に有権者数に応じた議席配分とする。そうすると、戦後一貫して問題となってきた「一票の格差問題」が一気に解消する。
有権者は1人3票を行使する。1票は全国区の候補者の中からいちばん議員になってほしい候補者を選ぶ。2票目は自分の地方区の候補者の中からいちばん議員になってほしい候補者を選ぶ。そして、3票目はいちばん政権を担ってほしいと思う政党を選ぶ。
全国区は総投票数の中から各政党の得票率に応じて議席を配分する。1人分の得票に満たなかった政党は議席を獲得できない。地方区の場合、各地方区ごとの総投票数の中から、各政党の得票率に応じて議席を配分する。当選者は、全国区とそれぞれの地方区で各党ごとに多くの票を得た順番とする。
そうすると、例えば日本維新の会のように近畿地方を地盤とするローカル政党的な政党は、全国区では議席を獲得できなくても、地方区で一定の議席を得ることが予想される。一方、例えばLGBTの人権擁護を訴えるような政党は、全国区で一定の票を得て議席を獲得することが期待されよう。このように、ローカル政党やマイノリティの権利を主張する政党も議席を得ることができるだろう。

供託金の廃止で文字通り誰でも立候補できる制度へ
各候補者に課せられている法外な供託金制度は廃止する。その代わり、政党登録制度を設けて、例えば登録金として100万円を収めなければ選挙に参加できなくするとよい。原則的に政党選挙なので無所属候補は立候補できないが、候補者本人を政党と見立てて、100万円を収めて立候補できる道を残してもよい。肝心なのは、例えば日本にベーシックインカムを実現しようとする人たちが10人集まってベーシックインカム党を設立した場合、各人が10万円ずつを持ち寄るもよし、クラウドファンディング等によって資金を募るもよし、お金のない人でも政党を結成して選挙に出ることができるようにすることである。クラウドファンディング等によって、登録金以外にも選挙資金を個人寄付に頼って集める文化が定着するとよい。団体献金や政党交付金は禁止・廃止する。

小党乱立は民主主義を活性化
価値観が多様化した現在、こうした制度下では1党で単独過半数を占めることは至難の業となろう。いきおい連立政権が常態化する。政情が不安定になるという指摘もあるだろうが、今日の一強政治の弊害に比べればはるかにましだ。それに、現制度では政権獲得のための政党の離合集散・政界再編や議席増を狙った連合(オリーブの木)など数合わせが目的化しているが、多党制の元ではより政策議論中心の政党間の駆け引きが活発化するだろう。選挙後には様々な連立交渉がなされるだろうが、あまりに民意とかけ離れた連立政権が成立しておかしな政策を実行すれば、必ず次の選挙でしっぺい返しを受けることになるだろう。また、ある連立政権では、小政党が参加してマイノリティの権利擁護の政策を実現する道が開かれることもあるだろう。
冷戦時代だったらともかく、社会的な利害関係が入り乱れている現状では、与野党問わず、政策ごとに様々な賛否のパターンが成り立ちうるので、小党乱立の連立政権だからといって、必ずしも政権運営が滞るとは限らない。むしろ党派の垣根を越えた身のある議論が期待されよう。

議員報酬は全国民の平均収入に
定数を衆院500、参院300としたのは、議員報酬をその時々の全国民の平均収入にスライドさせることを前提としてのことだ。より多様なマイノリティの利害を反映させるためには、議員定数は多い方がいい。その代わり、議員は決して美味しい職業であってはならない。強い志を持った人だけが立候補できるような裏付けが必要だ。その代わり、落選後、または議員引退後の原職復帰や就業支援制度を整備することも必要となろう。

選挙は平日に、「選挙の日」は休日に
投票率を上げる方策として、韓国の例に倣って、現行の日曜日の投票日を平日にずらし、その日を「選挙の日」として休日とする。オーストラリアの例に倣って選挙に行かないと罰金を取る方策もありうるだろうが、棄権する権利もあると思うので、強制には反対だ。しかし、「選挙の日」となれば、大多数の人が選挙に行くだろうし、誰・どこに投票するかも今よりよく考えるようになることも期待される。同時に、政治タブーの文化が変化して、職場や家庭で政治の話が当たり前に話されるようになることも期待できよう。

*22日の選挙結果を受けて、もし上述したような選挙制度で選挙が行われたら、各党の議席配分はどうなったか、シミュレーションしてみようと思っている。

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最近ダウンロードしたアルバム(3)ー実りの秋 [Jazz]

b.jpgKamasi Washington Harmony of Defference★★★★★  アメリカの若手サックスプレーヤーKamasi Washingtonの新譜。Desire, Humility, Knowledge, Perspective, Integrity, Truthというタイトルのついた6曲からなる組曲で、各曲親しみやすいテーマのもとにアドリブが展開されていく。とりわけ最後のTruthは最初のDesireのテーマに戻るが、ストリングスと混声コーラスも加わり、感動的な盛り上がりを見せてラストへと至る。Kamasiのアドリブプレーはコルトレーンにも通じる精神性を感じさせる。32分の短いアルバムだが、内容は大作と呼ぶに値する。

a.jpgTalibam!, Ron Stabinsky & Matt Nelson HARD VIBE★★★★★  ドラムのKevin Shea とキーボードのMatt MottelのユニットTalibam!にオルガンのRon Stabinskyとテナーサックスの Matt Nelsonが加わった演奏。2曲39分の演奏だが、キーボードの転調を繰り返す単純なテーマが通奏低音を奏でる中、Matt Nelsonのテナーがほぼ全編ハードなインプロビゼーションを繰り広げる息もつかせぬ展開に圧倒される。蛇足ながら、サルバドール・ダリの絵画か60年代後半のサイケデリックアートを彷彿させるジャケットデザインもいい。

c.jpgSimon Phillips Protocol 4★★★★★  上原ひろみのユニットですっかりお馴染みのドラマーSimon Phillipsのリーダーアルバム。ロック出身の彼も今年還暦。しかし、ハードロックのギタリストGreg Howeと、ベネズエラ出身のキーボード奏者Otmaro Ruiz との共演により、ハードで密度の濃いフュージョンミュージックを聞かせてくれ、飽きがこない。

d.jpgDima Bondarev Quintet I'm Wondering★★★★☆ ウクライナのドネツィク出身のトランペッターDima Bondarevのクインテットによるアルバム。彼はドイツのJazz Institut Berlinで学び、イギリスに移住。ドラムのJesus Vegaはアメリカ、ベースのMax Muchaはポーランド、ピアノのLudwig Hornungはドイツ、ギターのIgor Osypovはイギリスという文字通り多国籍バンド。90年代のニュー・メインストリームジャズを彷彿させる正統派ジャズの良質なサウンドが楽しめる。

e.jpgAndreas Herrmann The Child In Me★★★★☆ ドイツのピアニストAndreas Herrmannのギターを含むカルテットの演奏。パット・メセニー+ブラッド・メルドー・トリオの演奏に通じる清涼感がある。それも青少年期をテーマにした全編Herrmannによるオリジナル曲の賜物か。

f.jpgFABRICE ALLEMAN & CHAMBER ORCHESTRA UDIVERSE★★★★☆ テナー、アルト、ソプラノサックスにフルート、クラリネットまで吹くマルチリード奏者で、ジャズ、ロック、ファンクまでこなすベルギーのミュージシャンFabrice Alleman
が、ストリングスをはじめとしたオーケストラをバックに自らのカルテットで心地よいソプラノサックスの演奏を聴かせてくれる。サックスの中でもソプラノの音色を好む私にとっては、疲れた夜、酒を友にリラックスして聴きたくなるアルバム。

g.jpgWilliam Evans Donat Fisch Bänz Oester Jorge Rossy Andy Scherrer Schlitten★★★★☆ 情報が乏しく、演奏メンバーがWilliam Evans – piano、Donat Fisch – alto and tenor saxophone、Andy Scherrer – tenor saxophone、Bänz Oester – upright bass、Jorge Rossy – drumsということと、2015年にイギリスでレコーディングされたらしいこと以外は分からない。正統派ジャズのスタンダード集。しっとりとした演奏は秋の夜長に最適。

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立憲民主党を市民の党に! [Politics]

私は1996年の第1次民主党結党以来2011年の3・11まで、国政選挙では必ず民主党とその候補者に投票してきた。民主党の政策・理念に全面的に賛成したからではなく、自民党政権を1日も早く終わらせたい一念からだった。そんな中で、当時住んでいたさいたま市で隣の選挙区だった枝野幸男氏には、若手のホープ=将来の首相候補として大いに期待を寄せていた。
しかし、3・11によって運悪く政権を担当していた民主党、とりわけ菅政権の官房長官として「直ちに影響はない」発言を繰り返した枝野氏には大いに失望させられた。私はその頃から市民の手による市民政党の必要性を痛感し、一時は緑の党に関わったこともあったが、その無為無策ぶりに失望してそこを離れ、その後の国政選挙では反アベの立場から再び民主党(民進党)候補に投票したこともある。

民進党の分裂は歴史的必然
前々回のブログでも述べたように、民主党の結成はソ連・東欧社会主義圏の崩壊後の全世界的な一時的「超階級現象」の出現時期に、社会党から自民党までを網羅する超階級的国民政党として出帆したものであったが、IT革命を経て1%対99%の新たな階級社会が出現するに至り、その存立基盤は大いに揺らいできた。ヨーロッパ諸国ではスペインのポデモスのように市民主体の21世紀型政党が誕生し、市民・学者に加え新旧左翼まで包摂したギリシャの急進左派連合はチプラス首相を誕生させるまでに至った。マスコミで「左右のポピュリズム」と謳われたように、一方ではフランスのルペンをはじめとして各国で移民排斥を掲げる極右勢力も台頭した。アメリカではそれは、民主ー共和の2大政党の庇を仮りながら、市民政党型サンダースと極右のトランプの対立となって現われた。
そうした中、日本では極右勢力が日本会議という「市民団体」によって、最大政党で万年与党の保守政党であった自由民主党を、安倍晋三を通して事実上乗っ取るという特殊な形で国家権力を掌握し、5年近い極右政権を維持し、世界の極右勢力をリードしてきた。その一方で、市民主体の政党はその萌芽として期待され、30年遅れで登場した緑の党も芽のまま落ちこぼれ、既成左翼・リベラル勢力も衰退の一途をたどるばかりで、アベの一人勝ち状況が続いてきた。
細川連立政権の登場により55年体制が崩壊した時、社会党とともに賞味期限が切れたはずだった自民党は、その後民主党政権の登場まで生き長らえたが、上述したようにアベ政権の登場によって名だけ残して実は消滅した。超階級的国民政党の民主党→民進党も、政権に就いたとたんにその矛盾を露呈し、下野後は死に体状態だった。したがって今回、小池新党に巻き込まれる形で民進党が解体したのは、歴史的必然であったといえよう。

中道リベラル勢力は立憲民主党に結集し、市民が大きく育てよう!
そういう意味では、枝野幸男氏が中心となって立憲民主党が結成されることになったのも、ある意味歴史的必然といえる。このまま進めば、日本は日本会議という極右勢力が「自民党」と「希望の党」というふたつの駒を同時に背後で操る2大極右政党が支配する、世界に類を見ない国になってしまう。一方、左翼の共産党はあまりに力が弱い。このような歪な国政の勢力図は民主主義の危機以外の何ものでもなく、事実、それら2大極右勢力が議会の3分の2以上を握れば、憲法改悪、人権抑圧、準戦時体制化が進むことは不可避の状況だ。それを阻止できるのは、確かな中道・リベラル勢力の登場以外にない。この際、もう四半世紀ほど前に歴史的使命を終えて陽炎のように存在するだけの社民党はもとより、山本太郎共同代表をはじめとする自由党リベラル派も立憲民主党に合流して、より大きな勢力を目指すべきだ。
私はアベ政権登場後の国政選挙のたびに、市民が主体となった21世紀型の市民新党の必要性を一貫して訴えてきた。しかし、残念ながらこの国では、民主主義が成熟したヨーロッパ諸国のように、市民が主体となって独自に政党を立ち上げる力量も足りなければその機も熟していないようだ。また、いざ一般市民が国政選挙に立とうとすると、べらぼうに高い供託金をはじめ、選挙に莫大な金がかかるシステムになっている。
本日、立憲民主党の結成を宣言した枝野氏は、立憲主義と民主主義の旗印の下、トップダウンでなくボトムアップの政治を目指すと述べた。旧民主党も党員・サポーターを積極的に募集し、各種選挙の公募も行ってきて、その中から市民運動出身の議員も誕生してきたが、この間、野党共闘を支持し、推進してきた市民は、この立憲民主党により積極的に関わり、党員やサポーターになって支え、有能な人材は今後、積極的に各種選挙に立候補していくべきだろう。14年年末の総選挙で野党共闘で立候補して善戦した北海道の池田まきさんのように。そのように、この新しく誕生する立憲民主党を真の市民政党に育てていくチャンスを、私たち市民は今手にしたのだ。

森友・加計を忘れず、選挙期間中も厳しく追及し、アベの首を取ろう!
小池新党騒動で最も陰が薄くなったのが、森友疑獄加計疑獄だ。「希望」の政治的スタンスを見ていると、モリカケ隠しこそ新党騒動の真の狙いではなかったのかと疑わせるほどだ。事実、野党やマスコミもそれに巻き込まれて、モリカケどころではないといった状況が続いている。
立憲民主党の体制が固まれば、共産党や市民団体等との野党共闘を強固なものにし、選挙期間中は森友疑獄、加計疑獄を全面に押し出してアベの責任を追及すべきだろう。憲法や安保法制、社会保障、消費税等も大切だが、何を置いてもモリカケ問題徹底批判だ。モリカケ問題に端的に現われたアベの奢りに対する国民の怒りのマグマは噴火寸前の状況だ。モリカケ問題の徹底追及こそ、アベ政権打倒のいちばんの近道だ。

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民進党リベラル派は自由党リベラル派、社民党+リベラル市民と「市民民主党」結成を! [Politics]

小池にまんまと嵌められた前原
小池新党が選挙戦をたたかうのに必要な供託金をはじめとする資金に困っていることは、すでに一部で報じられていた。新党志願者には供託金を用意するようにと注文をつけられたとも言われている。そんな小池新党にとって、民進党に交付予定の100億円近い政党交付金は、喉から手が出るほど欲しい獲物だったに違いない。
一方、離党ドミノが止まらない民進前原は、自分のポリシーにそぐわない共産党を含む野党共闘に活を見出すよりも、新党ブームに便乗しようとして小池に接近した。まさにカモがネギならぬ100億円を背負ってきたようなものである。かくして前原誠司は、立憲政治と民主政治の解体に手を貸す、後世に語り継がれるかもしれない翼賛政治化、中道野党第一党・民進党をぶっ壊す愚挙に打って出ることになったのである。

極右2大政党制によって明治回帰に大手の日本会議
こうして世界に類を見ない極右2大政党制を目論む「希望の党」の登場によって、今度の総選挙の焦点が「小池ブーム」、「日本初の女性首相誕生か?」といった部分に当てられることになり、その結果、森友疑獄加計疑獄が完全に背景に追いやられそうな状況にある。承知のように、アベ「自民党」、「希望の党」の背後には、日本会議という日本最大の極右ヘイト好戦差別者集団が控えている。彼らにとっては、改憲をメルクマールにして、戦後民主主義の全否定、個人主義から家族主義への回帰、反戦平和を許さない戦争のできる国づくり、といった明治回帰の実現を、アベと小池の両天秤で確実に手にすることを可能にしたわけである。

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市民民主党、党首には山本太郎を!
こうした絶望的状況において、左派、リベラル派は、なすすべもなく拱手していていいのか? 北朝鮮情勢をはじめとして世界情勢がますます流動化するなか、このままでは日本は、真っ先に戦争に巻き込まれるどころか、その最先端で戦う道を突き進むことになるだろう。
民進党内リベラル派は自由党リベラル派と社民党に、この間、反戦争法、反共謀罪等でともにたたかってきた市民らとともに、護憲、平和、民主主義擁護の市民民主党結成に今すぐ着手し、選挙では共産党と戦略的共闘関係を結んで、100議席を目標に選挙戦をたたかうべきだ。そして、モリカケ隠しを許さず徹底追及し、アベ退陣を勝ち取ろう。
欧米では左右中道問わず、30代、40代の政治リーダー、野党指導者が珍しくない状況だ。そういう意味でも、市民民主党党首には山本太郎自由党共同代表以上にふさわしい人物はいない。この際、彼は参議院から衆議院へ鞍替えして立候補し、選挙戦の先頭に立ってたたかうべきだ。特別国会での首班指名選挙では、共産党も山本太郎首相に異論はないだろう。
この国から民主主義の灯を消してはならない。今、左派、リベラル派が団結して踏みとどまることで、次の反転攻勢が可能になる。逆にいえば、日本の民主主義には後がない。今が正念場だ。

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右急斜面新党雪崩ー左派・リベラル派は第三極を死守し、希望を取り戻せ! [Politics]

大政翼賛会へと雪崩打った1940年的様相
政局がにわかに1940年的様相を帯びてきた。小池「希望の党」に民進党が合流する方向で調整を進めているらしい。「希望の党」には小泉純一郎はもとより、小沢一郎、菅直人まで色目を使っている。今のところ、民進党内リベラル派からは離党して市民共闘の新党結成などという動きは一切聞かれない。毎日新聞の最新の世論調査でも、衆院選の投票先として「希望の党」は18%で「自民」の29%に次いでいる。今後、さらに支持を伸ばすことが予想される。まさに政友会、民政党が「勝ち馬に乗り遅れるな」と雪崩打って大政翼賛会へと合流していった1940年の悪夢を思い起こさせる。
小池はアベにも劣らない無責任さで都知事を辞任して選挙に出馬するとの噂も聞こえ、このまま進むと6月の都議選の再演で、「希望の党」が第一党に躍り出ることも十分にありうる。その場合、アベ「自民」の敗退は不可避で、念願のアベ退陣は実現するだろうが、日本会議が陰で操るアベ「自民(公)」+小池「希望」の極右改憲勢力が、大政翼賛会同様に議席の8割を占め、「小池首相」の誕生というような悪夢も現実と化すかもしれない。

左派・リベラル派は市民新党結成を!
こうなったら、左派・リベラル派に勝ち目はない。左派・リベラル派はアベ打倒とともに、衆議院に一人でも多くの左派・リベラル派議員が占めることを目標に、新党結成及び戦略的共闘を実現しなければならない。
具体的名前は控えるが、民進党内にも「希望の党」への合流をよしとしない強固な護憲派が少なからず存在するものと信じたい。この期に及んで自己保身及び「護憲派の議席を守るため」という名目で「希望の党」に身を置くことはナンセンスの一語に尽きる。2002年の民由合併時には自由党内極右派議員も民主党へと合流して次第に淘汰されたが、今度はその逆の憂き目を見ることは火を見るより明らかだ。また、2012年末の野田自爆解散の折には、民主党から未来の党とみどりの風が分離したが、この期に至って分裂は許されない。小異を捨てず大同につくことが要だ。
民進党内リベラル派+自由党共同代表・山本太郎+社民党に、この間野党共闘を訴えてきた市民連合をはじめとする市民団体・市民がより主体的に参加することによって市民新党を結成する以外に生き残る道はない。できれば共産党も百年近い歴史に終止符を打ち、イタリア共産党→左翼民主党→民主党の例に倣って合流するのが望ましいが、それは望み薄だろう。そうであれば、次善の策として、アベ政権打倒・憲法と民主主義の擁護・即時原発ゼロ・消費税引き下げ・大企業と富裕層への増税・北朝鮮への融和政策等で政策協定を結び、統一名簿を含む選挙協力を実現する以外にない。
問題は供託金をはじめとする選挙資金だろうが、アメリカのようにクラウドファンディング形式で全国の有志市民から募ればいいのではないだろうか? また、小池旋風に対抗するためには、現職議員以外にはできるだけ知名度の高い候補を立てなければ、地盤も看板もない候補者に勝ち目はない。それこそ、前川喜平氏・古賀茂明氏・金子勝氏・白井聡氏・室井佑月氏・山口二郎氏等々といった錚々たる候補者を擁立しなければ、数十議席の獲得は無理だろう。そうした方々にはこの国の危機と国民、とりわけ次世代を救うために身を挺する決意をしていただく必要があろう。

左派・リベラル派が民主主義と個人主義を守り育てる
世界でこの国ほど保守的な国民を私は知らない。戦後の混乱期には他国なら革命が起きていただろうがこの国には起きず、天皇制と財閥、戦争犯罪人が延命し、55年体制成立後の「保革対決」の時代には、実質的に革新勢力は保守の2分の1の地位に甘んじてきた。そうした保守王国を支えてきた精神風土は個人主義と結合した民主主義ではなく、明治期に再編強化されたムラ社会と家族主義の結合であった。
今、極右勢力の台頭の前に、民主主義・個人主義がムラ社会・家族主義に飲み込まれようとしている。その先にあるものは個人が国家に従属して命を捧げる専制政治にほかならない。つい2年前の戦争法=安保法制問題の折には観念でしか語られなかった戦争が、今や北朝鮮のミサイル・核問題を前にして、にわかに現実味を帯びた問題として国民の前に提示されている。今こそ左派・リベラル派が反戦・平和を声を大にして叫ばなければならない。
そしてまた、森友疑獄加計疑獄問題を選挙後の新体制でも執拗に追及し、たとえアベが野に下りたとしても、議員辞職、逮捕・投獄まで追い込んでいけるのかも、ひとえに左派・リベラル派の頑張りにかかっている。この国から民主主義の火を消してはならないのだ。

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個人を「家」に従属させる戸籍制度の廃止を! [etc.]

時代遅れで差別の象徴
無戸籍者問題、婚外子問題、同性婚や夫婦別姓問題、はたまた蓮舫氏の国籍問題等、戸籍に関わる問題が時々にクローズアップされるが、なぜか戸籍制度そのものが問題視されることはほとんどない。
古代中国に始まった戸籍制度は、かつて東北アジアの国々で一般的に見られたが、韓国が「父系血統主義に立脚した正当な理由なき性差別の制度」との最高裁判決に基づき2008年に廃止された(北朝鮮は朝鮮民主主義人民共和国建国時に廃止)のをはじめ、台湾も実質的に形骸化、現在、戸籍制度が残るのは中国と日本だけである。(中国では戸籍制度をめぐって様々な議論がある。)
日本では古代律令制国家で中国にならい戸籍制度が取り入れられたが、封建制時代を通して定着することはなかった。現代の戸籍制度につながるのは、1871年に制定された戸籍法だ。安倍晋三を戴く極右勢力が明治回帰を主張することからも明らかなように、戸籍制度とは個人を「戸」、つまり「家」単位で括って国民を管理する制度にほかならない。戦後、「戸主」は廃止されたがそれは「筆頭者」という形で形式的に残されている。戦前の大家族主義は戦後、夫婦を基本単位として結婚による配偶者の入籍と新戸籍の編制という形に変わったが、それは戦前の「分家」と基本的に変わらない。
また、戦前の戸籍法では身分欄があり部落差別の根拠となったように、戸籍制度は身分差別とも分かちがたく結びついている制度だ。そもそも身分制度が廃止された明治以降も身分差別が温存されたのは、ひとえに戸籍=出身地による地域差別に形を変えてそれが残存したからにほかならない。

家族主義の復活を許さず〈個〉の確立のために
東アジア各国で、上述したように21世紀に入って戸籍制度が廃止されたり見直されたりするなか、なぜか日本だけは戸籍制度そのものを問う議論がほとんど聞かれない。そして、日本では戸籍制度は全く形骸化もしていない。部落差別を助長しない観点から、入社時などに戸籍謄本の提出を求めることは基本的になくなったが、パスポートの発給申請、離婚届・転籍届・養子縁組届・認知届を他の市区町村にするとき、相続人(被相続人)になったとき、家事手続の審判(成年後見制度、氏名・性別の変更など)を受けるとき、生命保険金を請求するときなどのほか、公営住宅入居時や奨学金申請時など家族関係の証明が必要なときなど、戸籍謄抄本が必要なことは人生の様々な場面に発生する。
だから戸籍制度は必要なのだという声が逆にあるかもしれないが、たとえば韓国では、戸籍制度が廃止された後、従来からあった住民登録制度(住民登録票)以外に、家族関係登録簿というものがつくられ、基本証明書・家族関係証明書・婚姻関係証明書が戸籍謄抄本に代わる証明書類として発行されるようになった。あくまで個人を基本単位とした民主的なシステムである。
「家族は助け合わなければならない」という家族主義の改憲をめざす安倍晋三を戴く極右勢力が台頭するなか、個人の自由と主体性、人権を基本とする真の民主主義をめざす市民は、今こそ前時代的で差別主義と家族主義を本質とする戸籍制度の廃止を掲げ、リベラルな政党はそれを政策目標として掲げるべきだと強く思う。

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最近ダウンロードしたアルバム(2) [Jazz]

B.jpgEkkehard Wölk Trio Another Kind of Faith★★★★☆ Ekkehard Wölkは1967年生まれのドイツ人。幼い頃からピアノを始め、バッハ、ベートーヴェン、ブラームス、ドビュッシー等クラシックを学び、ハンブルグ大学、フンボルト大学で音楽学を学んだという経歴の持ち主。フルートやクラリネット、チェロを加えたこのアルバムも、バッハをはじめクラシックの香り立つ演奏が全編に溢れている。クラシックの曲をジャズにアレンジした演奏は昔からあるが、クラシックの要素を取り入れたオリジナル曲を演奏するジャズミュージシャンは珍しい。

C.jpgGerald Beckett Oblivion★★★★☆ ジャズフルーティストGerald Beckett のスタンダード集。彼はアルトサックスからフルートに転校した後、サンフランシスコ音楽院でクラシックの基礎を学んだという。コンボとしての演奏は凡庸だが、スタンダード曲をフルートでアレンジした新鮮さがある。とりわけ、オープニングのマイルスの名曲So Whatは秀逸。

E.jpgSimon Millerd Lessons and Fairytales★★★★★ アメリカのトランペッターSimon MillerdによるドイツのPablo Held Trioとの共演。他にギターやテナーサックス、バスクラリネット、ボイスが加わる。全編SimonのオリジナルによるECM的なヨーロッパジャズの色彩濃い演奏に貫かれている。

D.jpg松本圭司 STARGAZER★★★★☆ T-SQUAREでキーボードを担当していた松本圭司のリーダーアルバム。典型的な日本のフュージョンミュージックだが、アコースティックなサウンドを前面に出しており、またSTARGAZERのタイトル通り12星座をイメージして作られた曲が心地よく響く。

A.jpgADAM at × PHONO TONES Dr. Jekyll - EP★★★★☆ キーボーディストADAM atとPHONO TONESとのコラボアルバム。分かりやすいジャパニーズフュージョン。後半2曲で聞かれるPHONO TONESのPedal Steelの音色が印象に残る。

F.jpgJemal Ramirez African Skies★★★★☆ ドラマーJemal Ramirezのリーダーアルバム。典型的なメインストリームジャズがCD2枚分、118分続くが、セクステットのメンバーのうち、バイブのWarren Wolf, Jr. の演奏がとりわけ光っていて、このアルバムによいアクセントを与えている。

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北海道避暑生活 [Photograph]

元々自律神経が弱くて夏が苦手な上に、向精神薬によって夏の活動範囲が著しく狭められた私は、猛暑が予想された今年、念願の北海道避暑生活を実現した。7月上旬から約2ヶ月、パラダイスな日々を過ごせた。ありがとう、北海道!

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野幌森林公園


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藻岩山・夕景夜景


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旭山動物園


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気分はもう戦争前夜? Jアラートに騙されるな! [Politics]

午前6時、夢を砕くけたたましい警報音で眠りを破られた。この夏、北海道に滞在している私は、滞在先にALSOKの警報システムが付いているので、寝ぼけた状態ながらも、最初それが誤作動でも起こしたかと思った。すでに外が明るかったのでそう思ったわけで、もし真夜中だったら、本当に強盗でも侵入してきたかと、とても怖い思いをしたことだろう。
眠い目を開けて音源を探ると、どうやら充電器につないだスマホかららしい。何事かと思って取ると、「北朝鮮がミサイルを発射した云々」のメッセージ!
頭にきて、さっそく「バカ!朝早くから人を起こすな!原発が爆発しても、知らんぷりして国民を被曝させるくせに!」とツイート。それでも怒りが収まらず、「アベの野郎、いよいよとち狂いやがったな。戦争でも始まったかのように、いたずらに国民を不安に陥れ、戦時体制構築と、自らの保身に利用する。Jアラートとやらも、通用するのは最初の2、3回だけだぞ。そのうち「狼少年」になるだけだ。」とツイートしたら、リツイートがたちまち百を超えた。(私と思いを同じくする人々が、少数ながら確実にいるということ)

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(AFPより)

同じ頃、上西小百合議員が
5時58分 ミサイル発射
6時02分 Jアラート発令
6時06分 北海道上空通過
とツイートしていた。そうなのだ。北朝鮮がいきなり日本にミサイルを撃ち込んでくるはずがないし、万一そうだとしても、Jアラートを鳴らしたところで逃げている暇などあるはずがない、そんなことは最初から分かりきっている話なのだ。昔の空襲警報のように、サイレンが鳴ってから近くの防空壕に避難すれば間に合うなんて悠長の話ではないのだ。それに、避難が間に合ったとしても、中距離ミサイルから身を守るためには相当頑丈な地下壕にでも隠れなければならないし、もし核弾頭を積んでいたら核シェルターに逃げるしかない。
とはいえ、私は最初から日本のはるか上空を通過していくことが予想できたから、Jアラートは安眠妨害以外の何物でもなく、腹立たしいだけで、ちっとも怖くもなければ不安でもなかった。
元々自律神経が弱い上、向精神薬でさらに弱くさせられた私は(夏の猛暑を逃れて北海道に滞在している理由も自律神経)、睡眠不足がいちばんこたえる。昨夜は比較的遅く寝た上、少々寝付くのに時間がかかり、悪夢のような起こされ方をしたこともあって、起きた後も寝不足が否めなかった。幸い明日までの仕事を昨夜中に終えていたこともあり、朝食後、1時間ほど無理に仮眠を取った。
日本の上空を北朝鮮のミサイルが通過したのは今回が初めてではない。5回目だ。過去3回は事前通告があったとはいえ、国民はさして大きな不安を抱くこともなく、ましてやパニックに陥ることもなく、国民生活に何の支障も来さなかった。ところが今朝は、Jアラートのために、私のように貴重な朝の眠りを破られた人は数知れず、JRの遅延は午前中いっぱい続き、臨時休校した学校もあったとか、どれだけ国民生活に迷惑をかけたことか。
日刊現代によると「公邸に泊まっていた安倍首相は午前6時25分過ぎに官邸ですぐさま会見」とあった。ちなみにアベは、野党の臨時国会開催要求を完全に無視して、8月初めから夏休みモードで、山梨の別荘から戻って以来、ずっと「東京・富ケ谷の自宅で過ごす」毎日だった。それが、昨夜に限って都合よく公邸に泊まり、ミサイル発射から30分も経たずに記者会見ときたものだ。自然災害で多くの国民の生命が失われてもゴルフに耽っているようなヤツが、まるで前夜から知っていたように、ずいぶんと守備がいいものだ。
これは穿った見方ではない。事実、アメリカ政府には事前通告があったという話もあるし、だとしたら、もし日本政府に直接通告がなかったとしても、アメリカから日本政府に事前連絡があったと考えるのが妥当だろう。また、26日に北朝鮮が日本海に短距離ミサイルを発射した時、スガはいつもの強硬姿勢がウソのように、「わが国の安全が直接影響を受けるようなものではとない報告を受けている」などと、妙に冷静な対応をしていたのがずっと気になっていた。
そのことはさておくとしても、昨夜のうちに政府首脳が今朝の発射を事前に知っていた可能性は決して少なくないと私は推測する。アベが「発射直後からミサイルの動きを完全に把握していた」と述べているのとも合わせて、だとしたら、国民をこんなに愚弄した話はない。
民主党菅政権下であったこととはいえ、福島原発事故のときは、「いたずらに国民の不安を煽ってはいけない」という理由で事実の公表を控え、本来、30キロ圏どころか50キロ圏の住民を遠くへ避難させるだけでなく、15日や23日の放射性プルームが関東一円を覆ったときには同地域の全住民に外出自粛を訴えなければならなかったにもかかわらずそれを行わずに、何千万もの国民に有害無益な被曝を強いた政府が(付言すれば、もしあの時アベ政権だったら、もっと悲惨な事態を招いていたことは間違いない)、今度は国民の命を守るという意味では全く意味のないJアラートの警報を発令して、まさにいたずらに国民の不安を煽って「気分はもう戦争前夜」ムードを醸成して、森友隠し、加計隠しの支持率回復につなげ、さらには改憲への地ならしをしようという政治目的に利用しようなどという魂胆はとうてい許されることではない。
だが、私のように情勢を分析している国民はごく少数だろう。事実、Jアラートにたたき起こされた直後、娘から「大丈夫?」とLINEが来た。3・11以降、「緊急地震速報」を固唾を飲んで見守るようになった国民は、それと同じようにこの警報を見聞きしたはずだ。多くの国民がアベの策略にまんまと乗せられ、「気分はもう戦争前夜」状態をすり込まれたわけだ。
そして、こういうことになると民進党はもちろん、共産党までが「北朝鮮に断固抗議する」みたいなことになってアベを援護射撃することになるから情けない。なぜはっきりとアベを非難しないのだろう。山本太郎さえ、何も言っていない。福島瑞穂なんかも、ネトウヨの炎上を恐れてか、一切この問題をスルーしている。
たとえ国民の理解を得られないだろうと考えても、多くの国民を敵に回してさえ、こういうときこそはっきりものをいうのが筋を通す政治家というものだろう。なお、誤解なきように付言しておくが、私は北朝鮮=金正恩を擁護する気など1ミリもない。アベともども、トランプともども、一刻も早く消えていなくなってほしいと思っている。北朝鮮住民が解放され北が南に吸収されるかたちで統一されることを願っている。そのこととアベを非難することとは全く別次元の問題だ。

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民進党と連合ー組織票から浮動票へ(山尾志桜里問題の本質) [Politics]

「保育園落ちた 日本死ね」の待機児童問題追及で一躍有名になった民進党の山尾志桜里議員が、横浜市長選で、カジノ反対と中学校給食の実施を掲げる前民進党市議の候補を差し置いて、自公と連合の推す現職の応援演説に駆けつけたことがネットで物議を醸している。事情通によると、山尾氏は連合の要請に応えての行動であったとか。しかし、確かに山尾氏は待機児童の問題や前回選挙で中部電力との原発に関する政策協定を結ばなかった等、リベラル志向の人物としての評価が高いが、党内では前原グループに属し、過去2回の代表選では細野豪志前原誠司を支持している。山尾=リベラルと勝手に決めつけ、「裏切られた」と騒いでいるネット左翼(?)は、山尾氏に片思いをしているだけではないのか。もしかすると、今回の騒動にいちばん驚いているのは、山尾氏自身なのかもしれない。
それはさておき、民進党が今日、ご臨終の時を迎えることとなった原因については、昨日も書いた通りであるが、そこで触れなかった要因のひとつとして、民進党(民主党)と連合とのねじれた関係を指摘することができよう。とりわけ民主党が3・11以降、明確に脱原発に舵を切れなかった主な原因は、電力総連を抱え原発を容認する連合の存在があった。

55年体制を支えた組織票
万年与党の自民党と万年野党の社会党によるなれ合い政治によって、豊かで平和な世の中を享受してきたいわゆる55年体制のもとでは、選挙を左右するのはいわゆる組織票であった。自民党には地方・農村の票田を支配する農協をはじめ、都市部の中小企業を束ねる商工会議所や青年会議所、さらには様々な宗教団体が組織票を固める集票マシーンとして機能してきた。一方の社会党は、400万の労働者を組織する日本労働組合総評議会(総評)という強力な支持母体が存在した。さらに民社党も同様に全日本労働総同盟(同盟)というナショナルセンターを基盤としていたし、公明党はいうまでもなく創価学会と一心同体、共産党も数十万の党員と党の影響下にある様々な大衆団体が共産党の集票組織としてががっちり機能していた。
しかも、55年体制下では中選挙区制だったため、例えば定数5の選挙区では自民3に社会2の「指定席」があったり、選挙区によってはそのうちの1議席が他の少数野党の指定席であったりした。だから、選挙ごとに様々な「風」が吹いても、相対的に与野党の議席配分に大きな変動が現われず、上述したように自民vs社会の圧倒的な組織票の数的優劣によって政権交代は事実上不可能な構造になっていた。

無党派層と浮動票の増大が小選挙区制を可能にした
小選挙区制の議論は70年代からあったが、共産党が一貫してそれに反対してきたように、55年体制下では、それは少数野党にとっては死を意味するものであったばかりか、組織票の優劣がはっきりしている状況下では、絶対数の上からも自民党の独占状態を招く以外に考えられない制度であったため、現実性の乏しい議論に過ぎなかった。それが、1993年の反自民・非共産の細川連立政権下で一気に実現することになったのは、その間、55年体制が崩壊するのに先立ち、無党派層の増大による大量の浮動票が選挙情勢を左右するようになっていたからである。まさに「政権交代可能な2大政党制」が現実味を持ち始めたのである。

組織票と浮動票のどちらを重視するか?
そうした小選挙区制のもとで発足した民主党は、当初から一貫して無党派層の浮動票に支えられて議席を伸ばしてきた。世論調査ではおおむねいつも一桁台の支持率しか得られないにもかかわらず、いざ選挙となるとその何倍もの票を獲得してきた。そう考えると、民主党(民進党)には連合の協力は必要ないようにも思われる。実際、発足当初800万の傘下組合員を擁した連合は、その後、組合員数を減らし、現在は675万人の組合員を擁するに至っている。それでもこれは、かつて総評が擁していた400万組合員をはるかに凌駕する数である。しかし、55年体制下の総評は、各産別組織が場合によっては複数の組織内候補ーつまり日教組なら日教組内から社会党候補者を擁立するーを当選させ、労組出身議員が何人も存在した。そのような場合は、組織票は2倍にも3倍にもふくれあがった。つまり、組合員のみならず、その家族も組織票として機能した。同様のことは組織外の候補にも一定程度いえた。つまり、組織票は百パーセント確実な基礎票として動員できたのである。
ところが、連合の組織票というのは、今年初めに行われた傘下の基幹労連のアンケート調査の結果でも、組合員の政党支持率が民進党18%に対して自民党23%であることが明らかになったように、組織票ー固定票として固められるのは、組合員の2割にも満たない現実が暴露された。
といっても、小選挙区制の選挙は常に「風」によって左右される。かつてのような「指定席」はない。不確かな組織票でも、あるとないとでは時に当落を分けることもある。事情はかなり違うが、自民党も農村票や中小企業票がかつてのように盤石な支持基盤でなくなったため、細川連立政権崩壊後は、創価学会を擁する公明党の選挙協力なしには、政権維持が難しい状況が続いている。また、そのように浮動票に左右される中で、創価学会同様、確かな組織票を有する宗教団体を母体とする日本会議に政権を牛耳られるようになったのも、この党の特色である。
それはさておき、政権交代前後の一時期を除き、常に政党支持率一桁台でも2大政党の一翼を民進党(民主党)が担ってこれたのも、まずは無党派層=浮動票のお陰であると同時に、小なりといえども連合という組織票に負うところが少なからずあったことも事実である。
しかし、連合との関係維持はそうしたプラス面ばかりではない。上述したように、はっきりとした原発政策を決められない問題もしかり、共社自との野党共闘路線に明確に舵を切れない理由のひとつも、連合との関係が存在する。連合は総評・同盟・中立労連・新産別といったナショナルセンターを網羅した労働戦線の「全的統一」として実現されたかたちはとっているものの、それを主導したのは労使協調路線の同盟と総評内右派労組であり、連合結成と同時に、共産党系単産は全労連という別組織を結成、社会党左派系労組の一部も全労協を結成し、事実上連合は、それら左派切り捨てによって成立した労働戦線の右翼的再編であった。そうした経緯から、連合は一貫して共産党や社民党との野党共闘路線に反対してきたのだ。

市民を信頼し、市民とともに政策を練り上げる政治家・政党を!
そうしたなか、旧民主党は与党時代にも、原発政策で明確な方針を打ち出せず自滅し、下野してからも、アベ政権への対抗上、他の野党と歩調をそろえてこの間、どうにかこうにか野党らしい行動を示してきたものの、重要政策では何ら明確な路線を打ち出せていない。これはなにも連合との関係ゆえというよりも、党内に様々な考えの議員がいることによるためであるが、連合との関係も含め、軸足をどこに置くか、足下が定まっていないという致命的問題にある。
先に見たように、55年体制下の組織頼み(=ムラ社会依存)の選挙から、今はよきにつけ悪しきにつけ、個人主体の選挙に変化してきている。候補者も、わずかばかりの基礎票の上乗せを狙って組合回り等組織回りをして頭を下げ、自らしがらみをつくり出すよりも、無党派層=浮動票という個々のバラけた市民にオープンに呼びかけ、彼らを積極的に主体的な市民として組織していく欧米型の選挙戦略へ転換しない限り、生き残りは難しいと腹をくくるべきだ。
そしてそれは、単に選挙戦略に限定される問題ではない。否、むしろ、その方向こそ、今後目指すべき市民政党の本来のあり方が提示されているともいえる。組織頼みの選挙から、市民を信頼し、市民とともに政策を練り上げていく姿勢こそ、21世紀の市民政党に求められる政治家の姿勢だからだ。

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