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最近ダウンロードしたアルバム(7)ーボーダレス化するヨーロピアンジャズ [Jazz]

昔、ヨーロッパのジャズといえばフランス、イタリア、それに北欧諸国等を真っ先に思い浮かべた。しかし今は、西はポルトガルから東は東欧・ロシアまで、ヨーロッパはジャズがあまねく盛んだ。しかも、ヨーロッパらしく、ひとつのアルバムに多国籍のミュージシャンが参加することがごく一般的なので、その曲風も、昔のようにちょっと聴いただけでフレンチジャズ、イタリアンジャズ、北欧ジャズ等々と区別がつかず、グローバル化している。
また、昔はヨーロッパでも日本同様、頭角を現したミュージシャンは渡米して世界的に有名になっていったし、つい10年ほど前のアフリカンジャズブームもそうだったと思うが、今は現地で質の高いジャズアルバムをどんどん発表している。それは、ここでも1枚取り上げたオーストラリア、ニュージーランドにおいても同様の状況にある。今やジャズはアフリカンアメリカの音楽から完全に脱皮し、グローバルでボーダレスな現代音楽に成長した。
アップルミュージックをはじめとする音楽配信サービスも、その傾向に拍車をかけている。毎週、有名・無名を問わず、等しく、多くのニューアルバムが配信される。リスナーは、その音楽を何の先入観もなく聴ける。昔、ジャズ雑誌を読んで、各レーベル推奨のアルバムを買わされていた頃と比べると雲泥の差で、世界のジャズシーンが一気に可視化された感がある。

2.jpgSANDRO ROY SOUVENIR DE PARIS ★★★★★ 23歳のドイツのバイオリニスSANDRO ROYの2枚目のアルバム。ジャズバイオリンといえば日本では寺井尚子がまず思い浮かび、この作品も彼女のリシャール・ガリアーノとのセッションなどを彷彿させる曲もあるが、よく聴くと全然バイオリンのキレが違う。SANDRO ROYは幼い頃からクラシックバイオリンを学び、いくつもの賞を受賞してきた。しかし、彼の演奏は単に技巧的に優れているのみならず、ジャズスピリットを豊かに表現している。その自信のほどは、ハンガリーのロマ系ベテランバイオリニスト、Roby Lakatosと3曲で共演し、のっけからガチンコ勝負のバトルを繰り広げていることからもうかがえる。アルバムは、ドイツのJermaine Landsbergerトリオをバックに、フランスのアコーディオン奏者Marcel Loefflerが加わった演奏も4曲収録。

5.jpgMENAGERIE The Arrow Of Time ★★★★★ オーストラリアのファンク・バンドBamboosのギタリストLance Fergusonが結成したグループ。Lance Fergusonはニュージーランド生まれのオーストラリア育ち。Phillip Noy(sax)、Ross Irwin(tp) 、Mark Fitzgibbon(p)、 Mick Meagher(b)、 Ben Grayson(kb)、Rory McDougall(ds)、Javier Fredes(per)、Fallon Williams、Jade Macrae(vo)はすべてオーストラリア人のミュージシャン。最初のクラブジャズ風の乗りのEvolutionに少し引いたが、最も長い2曲目のタイトル曲はじめ、21世紀の新しいジャズの可能性を示しており、昨秋このブログでも紹介したカマシ・ワシントンの作風などにも通じるものがある。それにしても、オーストラリアン・ジャズの躍進は目覚ましい。

4.jpgGABOR GADO – LAURENT BLONDIAU VEIL AND QUINTESSENCE ★★★★★ 1957年ハンガリー生まれのギタリストGABOR GADOと、1968年ベルギー生まれのトランペッターLAURENT BLONDIAUのデュオアルバム。ブリュッセルで録音。これも次のアルバム同様、バッハ的クラシックの色彩を漂わせた曲調のECMテイストの作品だ。また、LAURENT BLONDIAUのトランペットは、故ケニー・ホイーラーの晩年の作品を思い起こさせるものがある。





3.jpgKIT DOWNES OBSIDIAN ★★★★☆ KIT DOWNESはイギリスの若手ジャズピアニスト。しかし、全編オルガンによるこの作品はほとんどクラシック、それも宗教音楽に近い範疇に属するアルバム(各曲のタイトルも宗教的なものを連想させる)。いかにもECMらしい1枚だ。ただし、KIT DOWNESは教会で昔オルガンを弾いていたそうで、むしろ彼にとっては原点回帰となる作品。一般のジャズファンには馴染みにくいかもしれないが、バッハファンの私にはとても親しみが持てるとともに、厳粛な気持ちで聴ける秀逸な1枚。5のみサックスのTom Challengerが参加。3つの教会のチャーチオルガン(パイプオルガンの概念で造られた電子オルガン)で収録したという。基本的に深夜にひとりで聴くにふさわしい。

1.jpgROBERTO TARENZI JAMES CAMMACK JORGE ROSSY LOVE AND OTHER SIMPLE MATTRERS ★★★★☆ イタリアの中堅ピアニストROBERTO TARENZIとアメリカのベーシストJAMES CAMMACK、スペイン生まれのドラマーJORGE ROSSYのトリオの演奏。ROBERTO TARENZIのピアノはイタリア人らしいメリハリの効いた演奏。




(これらのアルバムは、最近Apple Musicを通してダウンロードしたアルバムを紹介しています。)


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「あたしおかあさんだから」への返歌②ーぼくの体験に基づく「ぼくはおとうさんだから」 [Criticism]

ぼくはおとうさんだから[るんるん]

一人暮らししてたよ おとうさんになる前
ビール飲んで ジャズ聴いて
立派に働けるって強がってた
今は後回し 子供と遊ぶため
走れる服着るよ 公園いくから
ぼくは おとうさんだから
ぼくは おとうさんだから
眠いまま朝7時に起きるよ
ぼくは おとうさんだから
大好きな弁当つくるよ
ぼくは おとうさんだから
お友だちの名前覚えるよ
ぼくは おとうさんだから
ぼくよりあなたのことばかり
ぼくは おとうさんだから
ぼくは おとうさんだから
痩せてたのさ おとうさんになる前から
好きなことして 好きなもの買って
考えるのは自分のことばかり
今は服もご飯も 全部子どもばっかり
甘いカレーライス作って
テレビも子どもがみたいもの
ぼくは おとうさんだから
ぼくは おとうさんだから
得意なお料理頑張るよ
ぼくは おとうさんだから
こんなに愛せるの
ぼくは おとうさんだから
いいおとうさんでいようって頑張るよ
ぼくは おとうさんだから
ぼくよりあなたのことばかり
ぼくは おとうさんだから
ぼくは おとうさんだから
もしも おとうさんになる前に
戻れたなら 夜中に遊ぶよ
ライブに行くよ 自分のために服買うよ
それ ぜーんぶやめて
いま ぼくはおとうさん
それ全部より おとうさんになれてよかった
ぼくはおとうさんになれてよかった
ぼくはおとうさんになれてよかった
ぼくはおとうさんになれてよかった
だってあなたにあえたから

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「あたしおかあさんだから」への返歌ージェンダーに基づく理想の「ぼくはおとうさんだから」 [Criticism]

ぼくはおとうさんだから[るんるん]

一人暮らししてたよ おとうさんになるまえ
ビール飲んで ゲームして
立派に働けるって 強がってた
今ははりきるよ 子供を食わすため
丈夫な服着るよ 残業するから
ぼくは おとうさんだから
ぼくは おとうさんだから
眠いまま朝5時に起きるよ
ぼくは おとうさんだから
大好きなお酒やめるよ
ぼくは おとうさんだから
新幹線の指定ケチるよ
ぼくは おとうさんだから
あなたより仕事の事ばかり
ぼくは おとうさんだから
ぼくは おとうさんだから


太ってたんだ おとうさんになる前
好きなことして 好きな酒飲んで
考えるのは自分のことばかり
今は昼も夜も 全部仕事ばっかり
辛いカップラーメン食べて
テレビも見ずに残業だもの
ぼくは おとうさんだから
ぼくは おとうさんだから
苦手な上司ともつきあうよ
ぼくは おとうさんだから
こんなに我慢する
ぼくは おとうさんだから
いいおとうさんでいようって頑張るよ
ぼくは おとうさんだから
ぼくよりあなたのことばかり
ぼくは おとうさんだから
ぼくは おとうさんだから
もしも おとうさんになる前に
戻れたなら 夜中に遊ぶよ
ライブに行くよ 自分のために酒飲むよ
それ ぜーんぶやめて
いま ぼくはおとうさん
それ全部やめ おとうさんになってつらかった
ぼくはおとうさんになってつらかった
ぼくはおとうさんになってつらかった
ぼくはおとうさんになってつらかった
あなたと遊ぶ暇もない

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テレビのない豊かな生活 [etc.]

昨年、テレビを捨てて(正確にはあるNPOに寄付して)から、生活が大きく変わった。
テレビを捨てたといっても、テレビ番組を全く見ないわけではない。ドラマを中心に、TVer等ネット媒体で後日大型モニターを通して試聴している。私の場合、ミステリーを中心に、ドラマは息抜き以外にも小説を書くためのヒントを得る手段でもあるので、それだけはやめられない。でも、それにしても、以前のように時間に縛られることなく、自分の見たい時間に見たい番組を見ることができるようになった。それも、録画などよけいなことをする必要もない。
そして、1日の視聴時間が半分近くに確実に減った。以前は、昼食時にながらで再放送のドラマを、ときには2時間も見ていた(数年前まではワイドショーを見たりもしていたが、アベ様ヨイショが横行するようになって以来、ばからしくなってとうにやめた)。また、食事の時間も、テレビの時間にいつのまにか合わせてするようになっていたのが、そうしたことに縛られることもなくなった。
さらに、夕食時も、早めのドラマがあればそれを見ていたのだが、たいていドラマは9時以降なので、食事をしながら、特に見たいわけでもないBSの旅番組とか、時には「世界の果てまでいってQ」とか「歌うま」みたいなバラエティーで時間を潰すこともあった。
そうしたムダな時間のつぶし方がすべてなくなった。だから、今ではワイドショーはもちろん、バラエティーのたぐいも全く見ない。報道番組も、テレ朝系のニュースを数時間遅れでたまに目にする程度だ。
おかげで、不愉快なアベシンゾウの顔を見せられ、声を聞かされる回数もめっきり減った。精神衛生上、とても好ましいことだ。
こうしてテレビと切れてみると、以前から見てはいなかったものの、弱者いじめをネタにしていじめを助長するような面白くもなんともないお笑いバラエティーや、スシ友コメンテーターが出てアベ様ヨイショしたり、芸能人の不倫や凶悪事件をあれこれ推測してほじくり返すワイドショー、さらには奥歯にものの挟まったようなじれったい報道番組等が、まるで別世界の出来事のように感じられ、それらから自由になった今の生活が豊かなものに感じられるのである。
さりとて、現実逃避をしているわけでない。必要な情報はリテラシーをもってネットから十分に得ている。
テレビは、古くから指摘されてきたように、一方向の媒体であるが故に、視聴者は100%受け身にさせられ、思考力を奪われる。そして、知らぬ間に、それによってすり込まれる世界観に染められていく。
昨年末の最高裁のNHK受信料合憲判決以来、受信料徴収率が上昇しているそうだ。これを機に、あなたもテレビのない生活に移行してみてはどうだろうか。
〈関連記事〉NHK受信料合憲判決ーテレビを捨てよう(途上国へ送ろう)!
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最近ダウンロードしたアルバム(6)ーコルトレーン、モンクへの賛歌 [Jazz]

5.jpgWAYNE ESCOFFERY VORTEX ★★★★★ 1975年イギリス生まれのアメリカのサックス奏者WAYNE ESCOFFERYの力作。特に1曲目のタイトル曲はコルトレーンのジャイアントステップスをも彷彿させる迫力ある演奏だ。また、わたし的には、唯一ソプラノを吹いている5のThe Devil’s Denがいい。8曲目にトランペットのJeremy Peltが加わる。以下のサイドメンも手堅い。
Wayne Escoffery - tenor & soprano saxophone / David Kikoski – piano/ Ugonna Okegwo – bass/ Ralph Peterson, Jr. – drums/ のカルテットのメンバーに、ゲストとしてJeremy Pelt - trumpet (track 8) / Kush Abadey - drums (tracks 5 & 8) / Jacquelene Acevedo - percussion (tracks 4, 5 & 6)が加わる。

1.pngSIMON CHIVALLON FLYING WOLF ★★★★★ フランスのピアニストSimon Chivallonのリーダーアルバム。ドラムのAntoine Paganotti、ベースのGraud Portal、ソプラノサックスのBoris Blancheとのカルテット。ほかにアルトサックスとトランペットにBaptiste Herbin、Julien Alourが参加。しかし、聴くべきはソプラノサックスのBoris Blancheだ。最初のCallを聴いてSonny Fortuneのコルトレーンへのオマージュ‘IN THE SPIRIT OF JOHN COLTRANE’でのTRANE AND THINGSを思い起こさせた。だが、TRANE AND THINGSがあまりに陰鬱で壮絶なのに対して、Callは突き抜けた爽快さを感じさせ、よりコルトレーンに近い。そして、そうしたトーンが全編を貫いている。フレンチ・ジャズらしさを全然感じさせない、ソプラノサックス好きの私にはたまらない一作だ。

7.jpgMAST THELONIOUS SPHERE MONK ★★★★★ 昨年はセロニアス・モンク生誕100年ということで多くのトリビュートアルバムが発表された。私の一押しは山中千尋のMONK STUDIESだが、独創性という面では引けを取らないアルバムが本作だ。山中の作品同様、エレクトリックサウンドに加えて、ビッグバンド編成でモンクを再解釈している。1970年前後のマイルスを思わせるジャケットデザインは日本人アーティストによるとのこと。MASTことTim Conleyはギター、ベース、キーボード、シンセサイザー等マルチ楽器をこなしている。他に、各種サックス、トランペット、トロンボーンの管楽器とアコーステイックピアノ等が加わる。


1.jpgDEANNA WITKOWSKI MAKES the HEART to SING: JAZZ HYMNS ★★★★☆ DEANNA WITKOWSKIは1972年生まれのアメリカのジャズピアニスト。教会音楽に強い影響を受け、それはこのアルバムにも表れているが、私はなぜか、彼女のピアノタッチを聴き、同年代の日本のピアニスト、Sayaの10年ほど前に発表された何枚かのアルバムを思い出した。Sayaの音楽はアメリカ西海岸のもっと洗練されたセンスに溢れていたが、そのピアノタッチを想起させたということは、DEANNA WITKOWSKIに女性らしい繊細さを感じさせるからだろう。疲れた時に心を癒してくれる、そんな音楽であり、そこが教会音楽にも通じるところだろうか。トリオの演奏だが、ほとんどソロピアノの印象を受ける。

6.jpgFrog of fog  Frog way back ★★★★☆ 真砂陽地を中心にしたクインテットFrog of fogのファーストアルバム。最初の10秒で日本人の演奏と分かる。でも、こういうサウンド、嫌いじゃない、ていうか、正直好き。でも、正統派にしろクラブ調にしろ、フュージョンにしろ、日本人の演奏って、どうしてこう、聴いてすぐに日本人って分かってしまうんだろう。まあ、そこがJ Jazってことなんだろうけれど…。全曲オリジナルで聴き応えあるが、中でも1のアップテンポのdialogueと、6のafter partyのファンキーなエレクトリックサウンドが秀逸。


3.jpgJORAN CARIOU the path up ★★★★☆ フランスの新進ピアニストJORAN CARIOUのデビューアルバム。JORAN CARIOUはアコースティックピアノ以外に7ではフェンダーローズの演奏も聴かせ、また、2、8、9にギターを加え、変化に富んだ演奏を展開している。


4.jpgLITHIUM RED ★★★★☆ フィンランド出身のピアニストAlexi Tuomarila、ドラマーJonne Taavitsainen、ベーシストJoonas Tuuriに、ポルトガル出身のギタリストAndré Fernandesが加わったカルテット。最近、パット・メセニー的なギターを加えたカルテットの演奏をよく耳にし、確かに新鮮味が感じられ効果的だが、あまりに似たようなアルバムが多いと食傷気味になる。

2.jpgEd Jones For Your Ears Only ★★★★☆ サックス奏者Ed Jonesのリーダーアルバムだが、ピアニスト Ross Stanleyのそれかと聴き紛うほどピアノが光っている。1曲目のBrigitte Berahaのボーカルをフィーチャーした曲ではEdのサックスは最後の方に少し出てくるだけで、リーダーアルバムとはいえ、全体的にカルテットの調和を重視した構成になっている。70年代のマッコイ・タイナーのコンボを彷彿させる演奏もあり、ブリティッシュジャズもさまざまなタレントに富んでいることを感じさせる。

(これらのアルバムは、最近Apple Musicを通してダウンロードしたアルバムを紹介しています。)

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ほんとにあった怖い話ー健康な子宮を全摘? [Novel]

私は1954年、四人兄弟の末っ子として、栃木県のK市に生を享けた。父はN生命の支部長として、関東地方の町々を数年おきに転勤していた。K市には、私が生まれた年から4年ばかり住んでいた。父は私が小学校に入学する年に、神奈川県のF市に家を建て引っ越したので、以来私は、高校を卒業するまでそこで過ごすことになる。しかし、兄姉たちは、父の転勤に従って、数年おきに転校していたそうだ。
母は私を産むとすぐ、子宮がんの手術を受け、子宮を全摘した。恐らく、出産後の検診でがんが発見されたのだろう。その後、母は10年、20年の間、がんの再発・転移に怯えながら暮らした。私が小学校1年生くらいの時、母が海辺の病院へ検査を受けに行くのについて行ったことがあるが、思えばあれもがんの検査だったのだろう。
私の子どもの頃、父と母の仲は必ずしもいいようには思えなかった。仮面夫婦というほどではないにしろ、どこかよそよそしさがあった。40過ぎて私をつくったはずなのに、そんなふうにはとても思えなかった。私は小学生の頃まで、両親と同じ部屋に寝ていたが、いつも私がふたりの真ん中になって川の字を描いた。今思うと、母は子宮を失うことによって、女であることを捨てたのかもしれなかった。
幸い母はがんの転移もなく、88歳で天寿を全うした。父が他界して3年後のことだった。

上の姉は、縁あってK市の高校の同級生と結婚したが、10年あまりでその夫を脳腫瘍で亡くした。以後、姉はK市を離れ、女手ひとつでふたりの子どもを育てた。
その姉が、夫の法事で久しぶりにK市を訪れたとき、高校の同級生に会う機会があった。そして、彼女とお茶を飲みながら、母の死の話になった。
「実はあの頃、○病院は経営難で、やたらと手術をしまくっているという噂がたっていたのよ。特に産婦人科はひどかったそうよ」
旧友がそう言ったそうだ。前述したように、うちは4年でK市から引っ越していたので、誰もそんな噂を耳にする機会がなかったのだ。ちなみに○病院は、今も地域の総合病院としてK市に存在している。
もしその噂通りだったとしたら、可能性はいくつか考えられる。母は本当に全摘を必要とする子宮がんだった。母は確かに子宮がんだったが、全摘する必要はなかった。母は子宮筋腫とかほかの病気だったが、子宮を全摘された。母は健康なのに子宮を全摘された。
その後、再発・転移もなく天寿を全うしたという事実に照らして、二番目以降の可能性が高いと思う。私は、必要もない手術を受けて母が子宮を全摘されたのではないかと疑っている。
今だったら、社会的に大問題になるようなスキャンダルだ。被害者が何人いたのか、今となっては知りようもないが、被害者たちは数千万から億単位の損害賠償を受けていたかもしれず、○病院は経営破綻していたことだろう。しかし、半世紀以上前のことなので、当時のカルテが残っているはずもなく、犯罪行為は闇に葬り去られてしまった。
そのせいで、母は女であることを捨て、父との関係にもひびが入り、何年も間、がんの影に怯えて暮らすことになったのだ。
ついでにいえば、私は子どもの頃から神経が過敏で、幼稚園で場面緘黙症だったのをはじめ、不安障害、強迫神経症、自律神経失調症…と、様々な症状に苦しめられてきたが、その原点は、生後間もなく、母から強制的に引き離された不安と恐怖にあったのではないかと考えている。
それにつけても、世の中は悪事に満ちあふれており、それが暴かれるのはほんの氷山の一角に過ぎないのかもしれない。そう思うと、つくづくこの世が恐ろしくなってくる。
(この物語はノンフィクションであり、登場する団体・人物等はすべて実在のものです)

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民進党の処方箋ー参院民進+衆院無所属+まともな希望=「保守党」で自民支持層を取り込め [Politics]

「わたしも民主党は解体すればいいと思っていたし、リベラルが結集する党ができればいいと思っていました。毎回鼻をつまみながら民進党に投票することもあったけど、立憲民主党が出来たことで、本当に喜んで投票した。」(LITERA 12.16)この室井佑月氏の発言は、去る参院選で立憲民主党に投票した多くの人々の思いを代弁するものだろう。民進党(民主党)は、いってみれば頭や手足が3つくらいあるアメーバのような、それぞれが勝手気ままに動こうとして身動きできないグロテスクな動物のようなものだった。私もこのブログで7月下旬以来、「民進党は解党し、党内リベラル派は社・自とともに市民主体の市民新党結成を!」等と何回か訴えてきたが、それが立憲民主党というかたちで第一歩を踏み出し、きっちりとした結果を出せたことを喜んでいる。
しかし、旧民進党や民主党に対するようなこうしたもどかしさを感じてきたのは、民進党を支持してきたリベラル層に特有なものではないと思う。毎回自民党に投票している保守層も同じだろう。第2次アベ政権の発足以来、「腐っても自民党」と思い投票してきた人々も、政権が長期化するにしたがい、特に年初以来のモリカケ騒動を経て、前回の総選挙では鼻をつまみながら自民党に投票した人も少なくないのではなかろうか。「ほかに適当な政党がないから」という理由で。
21世紀に入って顕著に進行してきた国民の政党離れ、棄権行動の理由はいくつかあり、このブログでも指摘したように、そのいちばんの理由は民意を反映しない小選挙区制にあると思うが、そのほかにも、民主党→民進党がリベラル派の有権者の思いから遊離すると同時に、自民党がこの国では常に多数派を占める穏健な保守層の思いから遊離して、極右へと変質したこともあるだろう。そのことは、世論調査で「自民党」が打ち出す個々の政策にはほとんど反対が多数を占めるのに、支持政党では相変わらず「自民党」が第一党を占めているねじれた現実が証明している。

今、民進党が揺れている。立憲民主党という核分裂を起こしてますます身動きがままならない状態に陥っているようだ。今の民進党はもはや私のテリトリー外なので、Twitterでつぶやく程度にしてきたが、あまりに歯がゆいのでひとこと言わせてもらう。処方箋は簡単だ。参院民進党と衆院の民進系無所属、それに隠れアベ派を除いた旧民進系希望の党が一緒になって、中道保守政党を結成すればいいだけの話である。結集軸は平和(憲法)を守る、脱原発、極端な経済格差の是正等、改憲右派勢力を除いた旧来の自民党的政策を掲げればよい。
つまり、立憲民主党がリベラル勢力の結集軸となることに成功したように、新「保守党」は旧来の自民党支持層の結集軸となるのである。この国にはリベラルな国民が常に2割弱は存在する。一方、どんなことがあっても変わらぬ保守層はその倍の4割ほどいる。その4割ほどは自民党を一貫して支持し続けてきたのだが、アベ政権で自民党が極右政権に変質してしまったから、今新しい保守政党を結成すれば、それは4割の保守層の潜在的な受け皿になる可能性を持っているということだ。
そして、この「保守党」がリベラルの立憲民主党はもちろん、左翼の共産党まで含む野党共闘を組んでたたかえば、現行の小選挙区比例代表並立制の選挙制度でも、アベ「自民党」に圧勝できる勝算が生まれてくる。
繰り返しになるが、この国の国民は徹頭徹尾保守的である。左翼の革命・変革へのアレルギーはもちろん、本来なら極右の革新も嫌い、漸進的な社会の変化と平和な生活を好む。しかし、左へのアレルギーは強いのに対して、右に対しては免疫ができているのか、それほど抵抗感がないため、保守の看板を掲げたまま、実質的に極右政策を実行しても気づかないことが多いのだ。
だから、今民進党が中心になって新党を結成し、「われこそは保守本流、自民党の嫡子です」と叫べば、アベの化けの皮を剥がし極右の正体を丸裸にすることができるし、野党共闘でモリカケ、スパコン、リニア等、アベの腐敗ぶりを追及すれば、案外あっさりとアベを退陣に追い込むことができるかもしれない。
しっかりしろ! 民進党。その奇っ怪なアメーバの着ぐるみから出てきて、保守という二本足でしっかりと立ち上がれ!

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NHK受信料合憲判決ーテレビを捨てよう(途上国へ送ろう)! [etc.]

NHK受信料支払い義務を巡る裁判で、最高裁がNHKの主張をほぼそのまま認める判決を下した。裁判でNHK側は「時の政府や政権におもねることなく不偏不党を貫き、視聴率にとらわれない放送をするには、安定財源を確保する受信料制度が不可欠だ」と主張したが、アベ政権以降、NHKが実質的にAbesamaTVになっている現状を見ると、この判決がNHKが本来あるべきそのような姿勢を取り戻すとはとうてい考えられず、予想されるのは、この判決を盾にとって支払い率100%を目指し、ますまず強引な取り立てに邁進するだろう姿である。

テレビの歴史と受信料支払い拒否
そもそも放送法が制定されたのは1950年、NHKがテレビ放送を開始したのが1953年だ。同年には日本テレビ、55年のTBSと、東京オリンピックの64年まで民放各局も相次いで放送を開始するが、テレビ草創期にNHKは、ニュース・報道番組はもとより、「七人の刑事」「若い季節」といったドラマ、「ジェスチャー」や「夢であいましょう」などの娯楽番組等、上質な国民的人気を誇る番組を数々提供し、テレビを買う=NHKを見るという図式が成立したため、テレビ購入が受信料支払いを意味することに、国民=消費者は大きな違和感を抱くことはなかっただろう。
しかし、民放各局も「ザ・ヒットパレード」「シャボン玉ホリデー」等、高い視聴率を稼ぐ人気番組を生み出すようになり、次第に「テレビを買う=NHKを見る」という図式は崩れていく。かてて加えて、60年代後半には一世を風靡したグループサウンズブームに対して、当時の前田義徳会長は長髪を理由に出演を認めず、一番人気だったザ・タイガースはついに解散するまで紅白歌合戦に出場することがなかった。NHKの放送姿勢への疑義が呈されるようになったのも、この頃からである。朝日新聞記者だった本多勝一は、NHK受信料支払い拒否を提唱した最初のひとりである。当時(1970年前半)この運動に共鳴した私は、実家の玄関に「NHK受信料支払い拒否」と手書きしたプレートを貼りだしたところ、職員が徴収に来なくなったのを覚えている。

情報・エンタメはネットで足りる
NHK受信料支払いを拒否している人の論拠は主にふたつだ。
ひとつは今の放送法に位置づけられるNHKのあり方と受信料制度そのものへの疑問である。
そしてもうひとつは、アベ政権になって顕著になった政権のNHK私物化、「中立性」の毀損への反発である。
しかし、そのアベの息のかかった最高裁でNHK受信料徴収の合法化が認められた以上、今後、支払い拒否運動は成り立たない。受信料を払いたくない人は、テレビを捨てるしかない。
しかし、幸い今は、テレビがなくてもネット経由で見たいドラマ・映画・スポーツ・ニュース・エンタメ等、何でも見られる時代だ。無料でもその欲求をかなりの程度満たしてくれる。例えば、テレビの連続ドラマ等はTverで放送翌日から1週間、無料で見ることができる。その他、主な無料配信サービスとしては、民放系のテレ朝キャッチアップ、日テレ無料TADA!by日テレオンデマンド、TBSFREE、フジテレビプラスセブンや、「新しい地図」で注目されたAbemaTVなどがある。パソコンやスマホでは画面に迫力がないというのであれば、2万円台で30型以上のディスプレーが手に入るので、それにつなげればいい。
つまり、インターネット時代の現在、紙の新聞をいちいち購入しなくてもネット配信の無料記事で世界中のニュースが収集できるように、テレビなどという機械がなくても、見たい映像・情報はいくらでも入手可能なのだ。わざわざめったに見ないNHKに受信料を払ってAbesamaTVの運営を支える必要は全くない。

テレビを捨てずにリサイクル、NGOを通して途上国に送ることも
ただし、まだ映るテレビをゴミとして捨ててしまうのももったいない。また、捨てるのにも金がかかる。リサイクル料金が1,836円から2,916円かかるうえに500円~3,000円の搬出料金がかかる。そこで一石二鳥の名案として提案したいのが、そのテレビを途上国のテレビを必要としている人々に送ることだ。たとえば、ワールドギフト(world--gift.com/)という団体では2,400円から3,900円でテレビを引き取り、途上国へ送ってくれる。また、発売から5年以内・壊れていない・一人で持てる大きさの場合、NPO法人もったいないジャパン(http://mottainai-japan.com/)へ送料自己負担で送れば、それを必要としている国内外の福祉団体や個人等に寄贈してくれる。
今回の最高裁判決は、白黒をつける意味で正解だったかもしれない。もし、被告有利の判決が出ていたら、NHKは経営戦略を練り直し、受信料義務化=税金化の道を選択するようになったかもしれない。そうなれば、テレビを(NHKをではなしに)見る見ないにかかわらず、納税者は強制的に受信料を支払うことになったかもしれない。しかし、今回の判決は、テレビを見ない=受信料を払わない選択の余地を残してくれた。ある意味、とても有り難い判決だ。さあ、みなさん。テレビを捨てよう! 途上国へ送ろう! NHK受信料、クソ食らえ!

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冬の珍客 ハジロコチドリ [from Okayama]

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後楽園近くの旭川で、見慣れぬ小鳥を目にした。近くで10羽くらい群れで飛んでいるのも目撃した。一部はカラスに追いかけられていた。
帰って調べたところ、ハジロハチドリというチドリ科の渡り鳥で、日本へは旅鳥または冬鳥として渡来するがまれであるそうだ。北極圏から南へ渡る途中で立ち寄ったものらしい。

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最近ダウンロードしたアルバム(5)ーピアノとベースの共演 [Jazz]

3.jpgEDWARD SIMON, SCOTT COLLEY, BRIAN BLADE STEEL HOUSE ★★★★☆ Edward Simon は1969年ベネズエラ出身のピアニスト。1989年に渡米後、テレンス・ブランチャードのバンド等で活躍した。ベースのScott CollleyとドラムのBrian Bladeとのトリオは、サックスのDavid Binneyを加えて2001年から活動しており、息のあった演奏を聴かせてくれる。このアルバムで、Edward Simonはアコースティック・ピアノのほかにも、エレクトリック・ピアノやキーボードの演奏も聞かれ、また2曲目には女性のボイスも混じるが、基本はアコースティックなピアノトリオの演奏。

1.jpgThomas Fonnesbaek & Justin Kauflin FONNESBAEK & KAUFLIN SYNESTHESIA ★★★★★ ベーシストThomas FonnesbaekとピアニストJustin Kauflin のデュオアルバム。スウェーデンで録音。Thomas Fonnesbaekは1977年生まれで、ニールス・ペデスセンに師事したデンマーク出身のベーシスト。Justin Kauflinは1986年生まれのアメリカのピアニストで、11歳の時、病気で視力を失っている。Thomas Fonnesbaekのピアノは繊細でいて力強く、70年代のキース・ジャレットを彷彿させるところがある。一方、Thomas Fonnesbaekのベースもピアノとの対話を楽しむかのように、単なる伴奏楽器の範疇を超えて、時に主旋律を力強く奏で、対等のパフォーマンスを聴かせる。とてもスリリングであるとともに、イマジネーションに富んだ作品だ。

5.jpgROSS McHENRY TRIO THE OUTSIDERS ★★★★☆ オーストラリアのベーシストRoss McHenryのリーダーアルバム。同じくオーストラリア出身のピアニストMatthew SheensとニュージーランドのドラマーMyele Manzanzaとのトリオによる演奏。エレクトリックベースとアコースティックピアノによる斬新なトリオの演奏が秀逸。10年以上前、一度だけオーストラリアのミュージシャンによるジャズを聴いたとことがあるが、たまたまかどうか、その時とは隔世の感がする良質なアルバムだ。

2.jpgANDRÉ MANOUKIAN APATRIDE ★★★★☆ André Manoukianはリヨン生まれのアルメニア系フランス人で、今年60歳のピアニスト。20歳でボストンのバークリー音楽院に学んだが、ジャズにとどまらず、あらゆる分野の多彩な音楽活動にたずさわってきた。このジャズアルバムでは祖父母の国アルメニアを思わせるオリエンタルな曲調の演奏が目立つ。実際、イラン、トルコ、シリアのミュージシャンが参加しているようだ。彼のルーツを探す音楽的探求の旅ともいえよう。

4.jpgKINGA GŁYK DREAM ★★★★★ Kinga Głykはポーランドの新進気鋭の20歳の女性エレクトリックベーシスト。ジャコ・パストリアスやエリック・クラプトンの曲をソロで引くYouTubeがアップされ、とりわけ後者は2千万ビューを記録している。本アルバムでもジャコのTeen TownとクラプトンのTears in Heavenをカバーしているが、その他の曲はすべて彼女のオリジナル。フュージョンアルバムながら、アコースティック・ピアノを用いている。ベースを前面に出した曲もあるが、他の曲も含めてどれも早弾きを誇示するようなものはなく、凄いベースを肩肘張らずにごく普通に弾いている。参加メンバーはHutchinson(ds)、Tim Garland(ss, ts)、Nitai Hershkovits(p)。
(これらのアルバムは、最近Apple Musicを通してダウンロードしたアルバムを紹介しています。)

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