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(精神)医療ムラの解体へ向けて [Anti-psychotropic drugs]

seisin.jpg星和書店という精神医療ムラの宣伝機関のような出版社が出している「臨床精神薬理」という雑誌の6月号が「ベンゾジアゼピンと処方薬依存を巡る問題」を特集しているので、購入して読んでみた。
いわゆる向精神薬と呼ばれるものには、SSRIなどの抗うつ薬、ベンゾジアゼピン(BZD)などの抗不安薬、それにアリピプラゾール等の抗精神病薬などに大きく分かれるが、どれも脳内の神経伝達物質に作用する点では同じで、不安障害の患者にSSRIが投与されたり、統合失調症の患者や不眠症の患者にBZDが投与され、うつ病患者に抗精神病薬が投与されることもあるので、~薬という言い方はあまり意味がない。というより、例えばBZDは1950年代に開発された薬だが、驚くことに現在でも「BZD系薬物により誘導されるシナプス可塑性の詳細なメカニズムは分子レベルにおいて不明な点もまだ多く存在する。…その分子メカニズムは不明である」(本誌、ベンゾジアゼピン系薬物の依存の薬理」伊藤他)。もっといってしまえば、向精神薬のすべてが、「~に作用するようであり、その結果、~の効果が期待される」というように、すべて推論と可能性のもとに開発され、日々患者に投与されているのだ。
なかでもベンゾジアゼピンは長期服用すると薬物依存を引き起こし、やめようとしても離脱症状と呼ばれる禁断症状を引き起こしてやめられないという深刻な問題を引き起こす。今や日本における薬物依存患者は、1位の覚醒剤に次いでベンゾジアゼピンを中心にした鎮静剤が2位を占めるに至っている。
向精神薬依存症が他の依存症と異なるのは、第一に他の依存症(覚醒剤、大麻、たばこ、アルコール、シンナー等)が本人が苦痛からの解放や快楽を自ら求めて手を出すのに対して、本人はそれと知らず治療のための薬物として服用するうちに、知らず知らずに依存症にさせられてしまう点、第二に、覚醒剤、大麻等麻薬類が非合法なのに対して、同じような薬効を持つ薬剤が、医師によって合法的に白昼堂々と売られている(白衣を着た売人)点である。しかも、ことは精神科や心療内科だけに限らない。内科医その他の診療科の医師によっても安易に処方されている。心の病に自分は無関係だから…と思っている人でも、飲んでいる薬をよく調べてみたらBZD系の薬が入っていたなんてことも十分ありうる。調べて欲しい。世界でもずば抜けて薬好きの日本人だが、日本はBZDの処方も世界で並外れて多いのだ。
そういったことで、「精神科医療は薬物依存の問題をいよいよ避けることができなくなった」(本誌、松本俊彦)というコンセプトで編まれたのが本誌だ。特集で8つの論文が掲載されているが、各医師によりBZDに対する評価にはそれぞれニュアンスに差がある。だが、この手の論文では普通のことだが、どれも上から目線というか、患者をモルモット的にしか考えない専門家の感性がそこかしこににじみ出て、嫌な思いをした。この中で患者の視点から明確なメッセージを発しているのは、『抗不安薬による常用量依存―恐ろしすぎる副作用と医師の無関心、精神安定剤の罠、日本医学の闇―』という電子書籍http://p.booklog.jp/book/62140)を出版している戸田克広医師ぐらいなものだ。
論点をひとつだけ紹介すると、「薬を使っていて特に有害な結果がなく、害にも気づいていない場合は、悪くないのです。もともと治療を受ける理由だった不安やうつなどの症状が回復し、体調が良く、日常生活は楽しく、社会や家族との人間関係も順調であれば、常用依存でも、ご本人がそれで良ければ良いことです。」(原井宏明、ちなみに彼は、行動療法・動機づけによってBZDの漸減、中止を試みている。)という医師の自己正当化の論理に対して、戸田医師は次のように明確に反論する。
toda.jpg降圧薬や血糖降下薬を長期投与すること、場合によっては生涯投与することと、BZDの長期投与のどこが違うのか、BZDにより穏やかな生活を送ることができればそれでよいではないかという意見がある。高血圧や糖尿病の場合には体重の減少などにより原疾患が治癒すれば薬の中止は容易である。患者は大喜びで薬を中止する。しかし、BZDの場合にはたとえ原疾患が治癒しても、常用量依存が出来上がってしまっていると中止が非常に困難である。場合によっては生涯投与になってしまう。さらに言えば、高血圧や糖尿病に対して薬物療法が必要な場合、降圧剤やインシュリンは必須である。しかし、痛み、不眠、不安症はBZD以外の薬で治療可能でありBZDは必須でない。不安症状にBZDが必要な場合であっても、それが必要な期間は当初の1、2ヵ月のみである。これらの点で、高血圧や糖尿病とは状況が全く異なる。
残念ながら戸田医師は、精神科医でも心療内科医でもない。専門は神経障害性疼痛のリハビリテーション科に勤務する医師である。だからこうまではっきりとものが言えるのである。
上述したように、BZDを常用している患者は精神科、心療内科にとどまらず、全国で数十万、もしかしたら数百万レベルに上るかもしれない。しかし、大部分の人が自分が依存症にかかっていることすら気づかずに薬を飲み続け、医者のいいカモにされている。
しかし、依存に気づき、それから抜け出した人、抜け出せない人が続出することにより、この問題は必ずや明るみに出され、日本の精神医療のからくりがあぶり出される日が来るだろう。しかし、原子力ムラの実態がフクシマという悲劇によらなければ白日の下に晒されることがなく、それさえ再び蓋がされようとしているのを見ても、(精神)医療ムラが自ら問題をさらけ出し、自己改革していくとは考えられない。そもそもこの背景には、医師会・病院・製薬会社・薬剤師会・厚労省からなる(精神)医療ムラの利害損得がごちゃごちゃに絡まり合っているのだ。
これを告発し、被害実態を明らかにし、損害を賠償させ、制度改革を伴った医療改革を要求していくのは、私たち患者=犠牲者以外にない。私たちが声を上なければ、この問題はうやむやにされ、適当にごまかされてしまうに違いないのだ。全国の依存症者のみなさん、ともに声を上げましょう!


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